シュトレンのお話

日本でシュトレンがこんなにも人気者になるなんて、いったいいつ頃からなのでしょうか。
10月も終わりに近づくと店頭でも、
『いつからですか?』とシュトレンが並ぶのを楽しみにしていらっしゃるお客様からのお声を頂きます。
これから一年で1番、ドイツパン屋が華やぐ季節になります!

シュトレンの歴史

さて、今更ですが、シュトレンってなんでしょう。実は、パンなんですよ。ケーキでも焼き菓子でもありません。パンと同じ様に、生地をこねて発酵、成型、焼成と言うように工程を踏みます。
14世紀に今のドレスデンがある、ザクセン地方のパン屋さん達がクリスマスに司教様のために2つの長い小麦の生地で編んだシュトレンを納めていたのが、今のシュトレンの原型と言われています。
勿論、今のように材料も豊かな時代ではありませんでしたので、味も食感も全く違うものだったでしょうが、長い歴史の中で様々に味や形を変え、今もドイツはもちろん、広くヨーロッパで愛されている伝統食です。

シュトレン

ドイツのクリスマス

ドイツ人はクリスマスまでの日々を、ツリーやリースを作りながら、シュトレンを家族で分かち合いながら、過ごします。
昔は家庭のお母さんがシュトレンを手作りする事も普通だったようです。お店の1番の商売敵は家庭のお母さんだよ、とドイツ人の義父も言ったことがありました。
『良い事をしたり、お手伝いをたくさんしたときは、1切れ多くもらえた』と話す義父のお母さんもきっとそうだったに違いありません。

最後に

ドイツの伝統食であるシュトレンが、このように年々皆様に愛されるようになり、携わる者の一人として大変うれしく思います。
1971年に来日した義父は、シュトレンなんて恐らくまだ誰も知らない時代に、不慣れな環境で材料も充分に揃わない中、試行錯誤で8個のシュトレンを作りました。これが日本に降り立ったシュトレン第一号です。

そこから始まり、美味しい体験がシュトレンのファンを増やしていくと期待しています、と語っていた義父、それを受け継いだ夫、そして同じ様にシュトレンを愛し作っている職人さん達の手から、これからもたくさんのシュトレンのファンが増えていく事を、私も願い、伝えていくことができるといいなと思います。

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